廃材から生まれる新たな色彩

タイルの印象を大きく左右する釉薬。それはリサイクルタイルにおいても例外ではありません。釉薬は色、光沢や質感、そして耐久性といったタイルのデザインと機能性を決定づける重要な役割を担っています。

私たちは、溶融スラグをはじめとした「リサイクル原料の可能性」をさらに広げるべく、釉薬にもリサイクル原料を使用する取り組みを進めています。 今回は、私たちの取り組みの一つである、廃材の特性を活かした「釉薬づくり」についてご紹介いたします。

リサイクル原料の可能性 | ゴミが釉薬に?

私たちの日常生活で出る廃棄物をはじめ、建築現場などで出る廃ガラスや粉砕された陶器、タイルの端材など、これまでは「ゴミ」として処理されてきた素材たち。
それらの中には、リサイクルすることで、タイル・釉薬の原料として使用できる成分が多く含まれています。

廃棄物をリサイクル原料として使用するためには、多くの処理工程が必要となります。多くの時間とコストがかかる作業ですが、人体に無害で、クオリティの高い製品のために必要不可欠な工程です。

工程 内容
選別 ・目視、磁選により異物(金属片・非溶融物)を除去
※ロット管理:入荷日・発生元・特徴を記録、ロット番号付与
粉砕・乾燥 ・素材ごとに粉砕、乾燥処理
成分分析 ・酸化物組成などを分析
※結果をもとに釉薬調合の補正実施
調合 ・組成に応じて調合
・長石、珪石、粘土などとのバランスを再構成
※釉薬の流動性・焼成温度・色調などを想定して試験実施
施釉・焼成 ・テストピースに施釉し、焼成
※光沢、色合い、釉の流れ具合などを評価
使用可否判断 ・結果が良好な場合のみ、本生産に使用
※調合内容と焼成結果を記録、品質確保

廃棄物の種類と含有成分を詳細に分析することで「焼成温度」「発色の特性」「テクスチャ」といった、製品の仕上がりをコントロールすることも可能です。これにより、それぞれの廃棄物が持つ「個性」を最大限に引き出し、これまでにない豊かな表現力を持つ製品が生まれます。

  • ボールミルで微粉砕

  • 試作を施釉して焼成します

たとえば、透明なガラスくずを原料とした釉薬は、柔らかなブルーや黄味がかった透明釉となり、なめらかな光沢感が特徴です。一方、陶器くず由来の釉薬は、土の成分が残ることで独特なマット感や、ざらつきあるテクスチャを生み出し、素朴で温かみのある表情を見せてくれます。

廃棄物をリサイクル原料として活用することは、単なるごみの削減に留まらず、素材が持つ可能性を引き出し、製品に新たな価値と魅力を付与することにつながるのです。

廃材からリサイクル製品へ

ecorevoは、リサイクル製品の製造における課題である「廃棄物の原料化」と向き合っています。溶融スラグをはじめとした、リサイクル素材の原料化は決して簡単なことではありません。しかし「未来の地球環境」そして「持続可能な社会」のために、私たちはこの課題を乗り越える必要があると考えています。

リサイクル原料をタイル・釉薬に活用することで、資源の有効活用はもちろん、産業廃棄物の削減にも貢献できます。これにより、今まで捨てられるだけだった廃材が、タイルの表面を彩る「色」へと生まれ変わります。その種類や質感は、日々研究を重ねることで、さらに豊かになっています。

  • さまざまな形状で試験を実施

ecorevoは、リサイクル原料を使用したタイル・釉薬の研究と試験を行っています。その結果誕生した製品が「モルテノヴァ」です。

モルテノヴァは、釉薬に溶融スラグを使用したタイル。55色という豊かな色彩表現と、9種類の形状ラインナップで、デザイン性と環境配慮を両立した空間づくりをサポートします。廃棄物から生まれたとは思えないほどの美しさと多様性を持つモルテノヴァが、あなたの空間に新たな価値をもたらします。

  • 施工事例:N邸

  • モルテノヴァのカラーラインナップの一部

製品詳細:モルノヴァ

まとめ

私たちは「廃棄物の原料化」という課題と向き合いながらも、技術と工夫を凝らし、高品質で魅力的な釉薬・タイルの製造を目指しています。これは、「環境への配慮」と「ものづくりへの情熱」を両立させる、ecorevoの揺るぎない姿勢です。 廃材は重要な「資源」であり、新たな製品の可能性を秘めています。その可能性を最大限に引き出すため、ecorevoは持続可能な釉薬づくり、そしてタイル製造の実現に向けて挑戦し続けます。今後の私たちの取り組みに、ぜひご注目ください。

ecorevoでは、無償でサンプルをお送りしております。ぜひ一度お手に取って、リサイクルタイルの質感や色合いをお確かめください。サンプルをご希望の方は、コンタクトフォームよりお問い合わせください。
※一部の製品については、色見本のみ無償とさせていただいております。あらかじめご了承ください。

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