【低温焼成】地球にやさしいタイルづくり
大手企業をはじめ、自治体・支援団体など、各所で進む「環境保全活動」。ecoRevo®では、溶融スラグによるリサイクルタイルに加え、カーボンニュートラル実現への新たなアプローチとして「低温焼成タイル」の研究を進めています。
今回は、私たちが研究・開発を進めている、低温焼成タイルについてご紹介します。
ecoRevo®の「低温焼成タイル」研究
母体であるエクシィズでは、ecoRevo®発足の20年以上前からリサイクルタイルの研究・開発に取り組んでいます。
これまでに積み重ねてきた、産業廃棄物を原料としたタイル研究に加え、陶冶・暁などの「リサイクルタイル」の開発実績を活かし、低温焼成タイルの研究・開発に着手します。
「陶冶」「暁」などのリサイクルタイルは、1150℃で焼成することで、従来のタイル製造に比べ二酸化炭素の排出量を削減しています。
新たに研究を開始した「低温焼成タイル」では、焼成温度を1000℃以下に抑えることを目標としています。
現時点では、低温焼成タイルが、どの程度の環境負荷を削減できるか、明確ではありません。しかし、これまでの研究結果から、焼成時の「二酸化炭素排出量の大幅な削減」や「省エネルギー」などの効果が期待できます。
各種窯の特徴 ~低温焼成に適した窯は?~
低温焼成タイルの研究・開発の要とも言える「焼成窯」。私たちは、低温焼成に適した窯の選定にあたって、さまざまな焼成窯を比較し、検討しました。
以下では、タイルメーカーでも使用される、3タイプの「焼成窯」の特徴をご紹介します。
シャトルキルン
タイルをのせた台車を窯に入れ、台車ごと焼成を行います。炉内で、火の当たりやすい箇所と、そうでない箇所があり、それぞれの場所で温度差が生じることにより、焼き物らしい風合いを持ったタイルに焼き上がります。
トンネルキルン
台車をトンネル状の炉内で移動させながら、20~40時間かけてゆっくりと焼成を行います。
トンネル内で「予熱」「焼成」「冷却」それぞれの工程を管理できる構造。急冷により、タイルが割れる「冷め割れ」を防ぐため「冷却帯」が設けられています。
シャトルキルンに比べ、熱効率が良く、焼きムラの少ない製品が生産可能です。
ローラーハースキルン
窯の構造は基本的に、トンネルキルンと同様ですが、シャトルキルン・トンネルキルンと異なり、台車を使用せずタイルを一枚ずつ、ローラーコンベアで移動させながら、2~10時間かけて焼成を行います。
タイル一枚ずつに均等に火が当たるため、上記の二つに比べ熱効率が良く、トンネルキルンより、さらに焼きムラの少ない製品の大量生産が可能です。
ローラーハースキルンは、温度ムラが発生しにくい窯です。タイル全体に、均一な熱を与えることができるため、今回の研究では、ローラーハースキルンを使用することとしました。
また、新たに導入された「エレベータ機構」により、窯詰め・窯出しの自動化が可能に。開発試験・製造における焼成工程がスムーズに実施できることも、この窯を選定した要因のひとつです。
まとめ
今回は、さまざまな焼成窯と、ecoRevo®が着手した「低温焼成」ついてお話ししました。今後、低温焼成タイルの研究・開発をさらに加速させ、将来的には量産を目指しています。
低温焼成タイルの開発は、タイル製造における環境負荷低減だけでなく、タイルの新たな可能性を探る挑戦でもあります。今後もecoRevo®の活動にご注目ください!
■ブログアンケート
*印は、入力必須です。