工場見学レポート:グリーンサイクル株式会社

ecoRevo®は、リサイクルタイルを通して「循環型社会」の実現を目指しています。そのヒントを得るため、名古屋市港区に工場を構える「グリーンサイクル株式会社」へ見学に行って参りました!

広大な敷地に所狭しと積み上げらた冷蔵庫・エアコンなどの家電。大量の家電たちが、リサイクルされていく工程を紹介いたします。

グリーンサイクルによる家電の「リサイクル」

今回は、主に東海地方で回収された家電製品のリサイクルを請け負う「グリーンサイクル株式会社」にお邪魔しました。

ここでリサイクルされるのは「テレビ」「エアコン」「冷蔵庫・冷凍庫」「洗濯機・衣類乾燥機」の4品目の家電たち。99%もの再資源化率を誇る、リサイクル技術を見学させていただきました。

工場に入荷された大量の家電たち。はじめに、熟練の作業員によって手作業で「解体」されます。高度な技術と経験によって、複雑な構造を持つ家電を、安全かつ効率的に解体していきます。

  • 解体作業の様子

  • 入荷した家電は「手作業」で分解されます

解体された家電は「破砕」工程へと進みます。この工程では、選別工程を効率化するため、大型の破砕機を用いて家電を細かく砕き、素材ごとに分離させます。

  • 破砕機の内部をモニターで見学

  • 破砕機のミニチュア

破砕された素材たちは「選別」の工程へ。破砕直後は、さまざまな素材が混在しており、まだ資源として充分と言える状態ではありません。

素材の性質に適した選別機を、段階的に使用することで、鉄、非鉄金属(銅・アルミなど)、各種プラスチックに選別し、回収することで、高品質なリサイクル資源として生まれ変わります。

  • 風力選別:コンベアを振動させながら、絶妙な風力で、「質量の軽いプラスチック」を飛ばして、回収します。
  • 磁力選別:吊り下げられた強力な磁石で「鉄」を回収します。
  • 渦電流選別:「銅」や「アルミ」など、非鉄金属の導電性を利用し、渦電流を発生させることで反発させて回収します。
  • 浮沈選別:プラスチックを水との比重差を利用して選別。「水に浮くプラスチック」と「沈むプラスチック」に分けられます。

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リサイクルタイル製造の課題

グリーンサイクル株式会社の、長年の経験と、高度な技術が詰まったリサイクルによって、高い「再商品化率」と「再資源化率」を誇ります。工場見学を通して、家電リサイクルの奥深さ、クオリティの高さに感銘を受けました。

多くの可能性を秘めるリサイクル事業。しかし、廃棄物を原料としたリサイクルタイル開発には、多くの課題も存在します。

廃棄物を原料化する際、大きなハードルとなるのが分別です。私たちは「リサイクルタイルの可能性」を広げるべく、さまざまな「廃棄物」をもとに、素材の研究を行っています。しかし、廃棄物を原料化し、タイルとして蘇らせるには多くの課題があります。

  • コストと時間:廃棄物のリサイクルには、多大なコストと時間を要します。特に、分別しきれていない廃棄物の場合、リサイクルのための工程が増えることとなるため、より多くのコストが必要となります。
  • 素材の性質:リサイクル効率の高い素材であっても、「有機物」のように焼成工程で燃焼・消失してしまうものは、タイル原料として使用することができません。
  • 汚染・有害物質:汚染物質・有害物質が含まれる廃棄物は使用できません。ただし「溶融スラグ」のように無害化できれば、タイル原料として使用することも可能です。

リサイクルタイルを通した「循環型社会」を実現させるため、日々これらの課題と向き合っています。これらを克服し、リサイクルタイルの普及を図ることで、持続可能な社会の実現に貢献していきたいと考えています。

まとめ

今回は、工場見学の様子と、リサイクル事業が抱える課題についてお話ししました。「リサイクル」という言葉が一般化し、国内の環境意識が高まっているとは言え、まだまだリサイクル製品の価値が低いように感じます。

現状、リサイクル製品は、必ずしも安価なものではありません。さらに高品質なリサイクルタイルの製造に向け、今後も研究・開発を続けていきます!

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