かいらぎ釉とは?
※CGイメージ
釉薬の表面に、あえて大胆なひび割れや「縮れ(ちぢれ)」模様を発生させる特殊な技法です。「梅花皮(かいらぎ)」とは梅の木の樹皮を意味し、その独特な凹凸感に似ていることから名付けられました。

現代のモノづくりにおいて、成分にバラつきがあり「均一にするのが難しい素材」は敬遠されがちです。しかし、伝統的な焼きものの世界を振り返ると、一見すると不具合や規格外に思える「素材のクセや窯の中の偶然」を、あえて唯一無二の美しさとして取り入れてきた大胆な技法が存在します。
今回は、そんな先人たちの知恵が詰まった「特殊な釉薬(特殊釉)」をご紹介します。どのようにして一癖ある釉薬を価値に変えてきたのか。その歴史を知ることで、工業製品の枠を超えた「1枚ごとに異なる表情」が持つ、本質的な価値やロマンが見えてきます。
焼きものの長い歴史の中には、一見すると「不具合(失敗)」に見える現象を、あえて美しさとして取り入れた大胆な技法が存在します。そこには、自然の力をコントロールしようとした先人たちの知恵と職人技が息づいています。
釉薬の表面に、あえて大胆なひび割れや「縮れ(ちぢれ)」模様を発生させる特殊な技法です。「梅花皮(かいらぎ)」とは梅の木の樹皮を意味し、その独特な凹凸感に似ていることから名付けられました。
・ 荒々しくも美しい、大きなひび割れと縮れ模様
・ 光を受けることで生まれる、深い凹凸と豊かな陰影
・ 茶陶(ちゃとう)の世界で古くから最高峰の風情として珍重されてきた歴史
まるで金属のような妖艶な光沢や、シャボン玉のような虹色の輝きをまとう特殊な釉薬です。焼成したタイルの表面に、金属成分を含む特別な薬剤を再度焼き付けることで、ナノレベルの極薄い金属膜を形成します。
・ 金、銀、銅のような、陶器とは思えない金属光沢
・ 見る角度や、朝・昼・夜の光によって色合いが変化する幻想的な表情
古くは鉛を使用してこの金属光沢を発生させていましたが、現代では技術革新が進み、環境や人体に安全な「無鉛(鉛フリー)」の釉薬が新しく開発されています。
鉄分を多く含む釉薬を使い、特殊な条件で焼き上げることで、表面に銀色の斑点模様を無数に浮かび上がらせる技法です。その様子が、水面に飛び散った「油の雫」に見えることからその名がつきました。
・ きらめく、結晶のような金属的斑点模様
古くから国宝級の名品として愛されてきたこの技法。現代の建築空間のアクセントとして再現できたら、唯一無二の空間演出が可能です。サステナブルな再生原料をベースに、いつかこんな幻想的な結晶をまとう特殊釉の再現にも挑んでみたいと考えています。
これらの特殊釉に共通しているのは、「均一ではないことが価値になる」という、焼きもの特有の美学です。
現代の工業製品では、いつでも同じクオリティであることが求められます。しかし、釉薬(とくに特殊釉)の世界では、わずかな揺らぎや個体差こそが個性であり、豊かさです。本来なら避けるべき現象を深く理解し、表現へと昇華する。そこには、科学的な知性と、職人の感性の双方が必要なのです。
私たちエコレボが取り組んでいる、モルテノヴァやウールをはじめとした「無機物系再生原料(スラグや廃ガラス)」の活用も、実はこの特殊釉の精神と深くつながっています。
再生原料は、その時々で成分に予期せぬ「クセ」を持っていることがあります。しかし私たちは、それを排除すべきデメリットだとは思いません。かつての職人たちが不具合を芸術に変えたように、私たちは再生原料という新たな素材の個性を、新しい美しさの種だと信じています。
今回ご紹介した特殊釉のような先人たちの知恵や、日々の実験の中で生まれる偶然の発見を大切にしながら、環境配慮とデザインが最高峰で融合する新しい表現に、これからも挑戦してまいります。
エコレボではこれからも、焼成技術の歴史に学びながら、皆さまに驚きを届けられるような新しい「再生のカタチ」を模索し続けてまいります。リサイクル素材の可能性を広げ、皆様のクリエイティビティを支えるパートナーとして、ぜひお気軽にお問い合わせください。
写真や画面だけでは伝えきれない、光による繊細な陰影や独特のテクスチャー。コンセプトに合わせた最適な素材選定のために、まずは実物のカットサンプルをお手元でお確かめください。