無焼成タイルの研究
今回は、昨年出展した展示会「エコプロ2022」にて初公開し、反響が大きかった「無焼成セラミックス」「無焼成タイル」について、ご紹介いたします。
「無焼成セラミックス」とは?
「無焼成セラミックス」とは、簡単に説明すると「焼かずに何でも石のように固める」技術です。この技術は、名古屋工業大学のご協力のもと、弊社・株式会社エクシィズのエコレボ事業部にて、製品化に向けた研究・開発を行っています。
現在、タイル業界が直面している課題のひとつが、エネルギー価格高騰による焼成コストの増加です。また、焼成によるCO2排出量の削減も、環境問題への貢献のために取り組まなければならない重要課題です。
一般的なタイルは、製造の際に、約1250℃で焼成を行います。ecoRevo®のリサイクルタイルは、この焼成温度を1150℃にまで抑え、従来よりも低温での焼成を実現しましたが、「無焼成タイル」は、そもそも焼成を行わず、100℃以下で乾燥させて固めます。
ecoRevo®のリサイクルタイルは、焼成温度を下げることで、生産時の消費電力やCO2排出量の削減に取り組んできましたが、「無焼成タイル」なら、焼成自体を行わないため、タイル生産時の消費電力・CO2排出量を大幅に削減。まさに「究極のエコなタイル」です!
「無焼成セラミックス」の可能性
また、無焼成セラミックスの大きな違いとして「焼成による収縮を起こさない」ということがあります。
従来の「焼成タイル」では、乾燥時と焼成時に収縮が起こるため、乾燥時と焼成時の収縮率を計算し、大きめに成形を行います。収縮率を綿密に計算することで、焼成後のサイズ誤差を最小限にすることはできますが、「無焼成タイル」は成形時とまったく同じ寸法に仕上がります。従来の「焼成タイル」では難しかった形状を、短時間・低コストに生産可能になるかも知れません。
「無焼成タイル」のメリットはそれだけではありません。無焼成タイルには「磁石」「木」「プラスチック」など、従来のタイルでは使用できなかった材料を混合することが可能です。これにより「LEDライトを埋め込んだ(無焼成)タイル」など、これまでできなかったことが可能になり、建築資材として以外にも、様々な活用方法が広がるのではないかと考えられます。
まとめ
いかがでしたか? 「無焼成セラミックス」の技術は、現在、製品化に向けて研究・開発を進めており、まだまだ課題があるのも確かです。また、焼き物ならでは風合いや釉薬の鮮やかな色などの魅力を、完全に再現できるものではありませんが、「無焼成タイル」は、エネルギー問題・地球温暖化問題など、これからの時代に沿った、新たな選択肢のひとつに、なり得るのではないかと考えています。
是非、今後もecoRevo®の「無焼成セラミックス」研究にご注目いただければ幸いです。
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