メーカー見学に行ってきました ~その2:湿式タイル・特殊成形編~
こんにちは。エコレボ事業部の大森です。
前回に引き続き、タイルメーカーさんの工場見学の様子を、タイルの製造工程と共にご紹介いたします。
前回は「乾式タイル」のメーカーさんをご紹介しましたが、第2回目の今回は「湿式タイル」のメーカーさんです。
4社目:高谷セラミックスさん
高谷さんは、火の加減や窯の中の雰囲気を、社長さん自ら微調整して、湿式タイルをシャトル窯で焼き上げます。まさに”焼き物”といった、味わいのあるタイルを製造するメーカーさんです。
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① 素地を土練機で押し出し、ピアノ線で切断します。
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② ピアノ線でさらに形を整えます。
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③ 乾燥させます。
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④ シャトル窯で焼成します。
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⑤ タイルの焼き上がり。状態をチェックします。
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⑥ タイルの完成。
案内をしていただく最中も、押し出されたタイルの滑る音や水の音が響き、職人さんの工房といった、独特な雰囲気を感じました。
5社目:丸仙化学工業所さん
湿式タイルに特化したメーカーさんです。タイル業界は分業制で、製造においても「原料作りは原料屋」と分かれているところも多いのですが、丸仙さんは「一貫生産体制」で、原料づくりから自社で行っています。丸仙さんの原料作りは、土を山から直接仕入れることから始まります。
丸仙さんのタイル製造の様子です。
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① 素地を土練機で押し出して、タイルの形に成形します。
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② スプレー機で釉薬を吹き付けます。スプレーを斜めから掛けることで、側面にもしっかりと釉薬をのせることができます。
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③ 乾燥させます。
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④ トンネル窯で焼成します。
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⑤ このようなタイルが出来上がります。
また、丸仙さんは、タイルの他にも食器の製造も行っているのが特徴で、「寿山」というテーブルウェアのブランドを展開しています。シンプルでお洒落な器が並んでいました。
丸仙さんは、昭和初期からタイル製造を行っているそうです。湿式タイルは無釉のものが多いですが、丸仙さんは施釉の湿式タイルを得意としています。器づくりや、長年培ったノウハウが活かされているのだと感じました。
6社目:大畑窯業さん
湿式タイルを製造されていますが、大きな特徴のあるメーカーさんです。大畑窯業さんは「鋳込み成形」という特殊な成形手法を得意とするタイルメーカーなのです。
「鋳込み成形」とは、タイルごとに一つずつ石膏の型を作り、その型に原料を流し込んで形成する手法です。タイルといえば平たいものを想像しがちですが、この製法では立体的な形状のタイルが生産可能です。
特殊な成形方法のため、工場内は撮影できませんでしたが、鋳込み成形の特長を活かした、まるで彫刻のような、特殊な形状のタイルを数多く手掛けています。
鋳込みのための石膏型を見せていただきましたが、1つ1つ緻密に作られている印象を持ちました。芸術的なタイルが沢山並んでいて、こういうタイルもあるのだと感激しました。
まとめ
いかがでしたか? タイルメーカーさんには、私たちecoRevo®のリサイクルタイル開発でも、色々とご協力をいただいています。いつもありがとうございます。
今回の見学では、工業化された現代的な製造現場から、焼き物の職人の世界まで、タイルづくりの様々な側面を見ることができた気がします。乾式タイルと湿式タイルの使われている機械の違いも面白かったです。タイルメーカーと一括りに言っても、多種多様な製造方法があり、各々が個性や強みを追求しているのだと感じました。
また、メーカーさんの説明の中で印象的だったのが、「還元」「酸化」「シリカ」など、化学的な言葉が多く出てきたことです。ものづくりは熟達した職人技の世界で、勘が物を言うようなイメージもありますが、それは地道な検証の上に成り立っているものなのだと感じました。
入社した春から、あっという間に半年が経ちました。1日でも早くタイルに関わる知識を身に着けるために、日々の業務に取り組んでいきたいと思います。
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